2016年07月15日

とちぎの野生動物

とちぎの野生動物 〜私たちの研究のカタチ
(關義和・丸山哲也・奥田圭・竹内正彦 編者/随想舎 ¥2,500+税)

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 栃木の自然と野生動物に40年以上関わってきた、宇都宮大学の小金澤正昭教授。本書は、教授の退官記念として、卒業生や関係の深い研究者たちが力を結集させて出版したものです。あーすわーむメンバーの一人も卒業生として執筆しました。
 タヌキは山奥でどう生きているか、コウモリの多様なくらし、シカとノウサギ、さらにマルハナバチとの関係など、「これぞ生態系!」と身を乗り出すほど興味深い話題が満載。野生動物と十把一絡げに言っても、キツネ、クマ、カモシカ、オオタカ、サル、イノシシなどの生態や、それぞれが置かれている現状、起こしている問題がさまざまであることが書かれています。動物に対して「保護」も「管理」も求められる今。動物を知り、人を知り、よりよい在り方を模索していこうとする決意が感じられる内容となっています。
 「堅苦しい研究論文なの?」と躊躇してしまう方、ご心配なく。動物への愛情や尽きない好奇心、自然を相手にすることの苦労などが、生の声で書かれています。先生や同級生とおしゃべりしながら、一緒にフィールド調査に行っている感覚で読めてしまいます。
 人から好かれ、動物から(ちょっぴり怖がられつつも)好かれている教授の人柄と情熱、それを囲む熱意ある人たちの成果をまとめた貴重な一冊。一緒にフィールドに出たつもりで楽しんでください!



posted by あーすわーむ事務局 at 23:36| Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする