2011年10月18日

『昆虫少年ヨヒ』

『昆虫少年ヨヒ』 
(石塚 徹 著/郷土出版社 ¥1,680)

現代の浅間山麓を舞台にした四季の動物誌で、児童書ですが、大人の方からも多く反響をいただいています。「アマツバメの秘境」「昆虫少年のロマン」「キリギリスの家出」「河童のしわざ」など全20章。キーワードは「地域の自然の全体像」です。130枚のカラー写真を添えました。
 “生きものの好きな人”にしか読まれない本を脱し、少しでも“それ以外の人”にも読んでほしいので、少年の成長を描く物語仕立てにしました。
 キリギリスはなぜメスばかり捕れるのか。なぜ夜だけカブトムシが来る木と、昼間もカブトムシがいる木があるのか。カナブンは夜、どこにいるのか。ある種のガはなぜ年によって大発生するのか。ヒメシジミはなぜ大草原の一部だけに発生しているのか。コクムドリはなぜ群れたがり、群れはなぜ分裂したがるのか。アカハラが減ってしまったのはなぜか。
 本書では、答えを出すことよりも、こうした素朴な疑問を持つこと自体が大切であると言っています。そして、小さな生きものたちの存在を認めることそのものが、豊かな生き方なのではないかと問いかけ、それが本書におけるもっとも重要な主張となっています。自由研究にも読書感想文にも活用していただけると思います。

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posted by あーすわーむ事務局 at 10:15| Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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