(高槻成紀 著/東京大学出版会 ¥8,190)
長年研究してきたニホンジカについて総括的な書物となりました。ひとつの哺乳類についてこれだけの本が書かれたのはサルを除いてはないといわれています。内容は自分の調べたシカの食べ物や植物との関係が主体ですが、共同研究者の南正人さんや大西信正さんの研究にもページを割いたほか、ニホンジカの遺伝学や日本の哺乳類の歴史や、人間社会と野生動物の問題などにも言及しました。東大出版会のNH(Natural History)シリーズのひとつとなったことを誇らしく感じています。